ワンダフルエラー
「付き合うんでしょ?」
「付き合わない」
「嘘だあ…。あ、もしかして熱でもある?」
「ねーよ!」
俺のことなんだと思ってんだ、なんてぶつぶつ言いながらパソコンを起動させる十夜。
なんなのよ。腑におちない。
わたしはゆっくりとソファから立ち上がって十夜の隣に立つ。
「…もしかして、まだ引きずってるの?JJのこと…」
「(…JJ?)ああ、沙耶香のこと。それは全然、もう」
「だってさあ、珍しいじゃん?あの青山さんて子、めちゃめちゃ十夜のストライクゾーンだったのにさあ」
言えば、十夜は"確かに"と頷いた。
だよなあ、まるでフランス人形の様に愛らしい容姿。肌は陶磁器のように白くてすべすべだった。
今年のミスコンでも、軍を抜いて壇上で輝きをはなっていた彼女。
なのに…。
「俺、どうしたんだろ」
「わたしに聞かれても分からないよ」