ワンダフルエラー


とにもかくにも、この幸せを伝える相手を、すぐに見つけることが出来たのはラッキーだった。このままじゃ、顔のにやにやが治まらなかったから。

生徒会室(…というよりも、ただの憩いの場と化している)に行けば、誰かしらいるとは思っていたけれど、それが十夜であったのも何より嬉しい。


十夜は、中学高校と同じ空間で時間を過ごしてきた、人付き合いが苦手なわたしの数少ない親友。

十夜の横に座り、置いてあった緑茶をごくりと飲んで、興奮を落ち着かせる。


「おい、それ俺の!自分の分淹れてこいよ」

「はいはい、で。十夜こそ最近どうなのよ。JJとはうまいこと進んでるの?」


JJは十夜の彼女で、ファッション雑誌のJJに載ってるようなアパレルブランドで働いている。少し前に付き合いだして、確かもうすぐ一ヶ月。

写メを見せてもらったけれど、色白でとても可愛かったのを覚えている。

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