ワンダフルエラー
きらきらと輝く星空の下、静かな光を放つ満月。十夜は、じっとそれを見上げている。
銀色の光。
長い睫毛が、白い頬にくっきりと黒い影を落とす。
綺麗だな。
わたしは、まるで吸いつけられるようにその光景を見つめていた。じわりと、胸に浮かぶ欲望。
「…んー」
「な、なんだよ…サラ。怖いって」
怯える十夜にニヤリと笑って、勢いのまま行動に移す。
「いただき!」
「え」
近距離にいる十夜の肩に手を回し、さらに距離をつめて、攫う様に、十夜の唇を奪った。
「おい!」
ぺろりと舌を出すわたしに、十夜は乗りよく突っこんだ。
「や、ごめんごめん。あんまり綺麗だから、ここでチュー位しとかなきゃ勿体無いかなあ、なんて」
「…おまえって、昔からそういうやつだよな」