ワンダフルエラー
「つうか、おまえ彼氏いんだろーが」
「はあ?誰ですか、それ」
「あの、女顔」
またか、と呆れて溜息をついた。私の反応に、英二は意外そうな顔をする。
「十夜のこと言ってるんだろうけど、そういうんじゃないから、わたし達」
「へえ、まじ?」
「まじ」
信じられねーな、とぼやく英二。わたしは誤解を解くようにもう一度、違うんだからね、と念を押した。
「てかさあ、そういう誤解止めてくれない?今回だってソレが原因でもあるんだからさ」
「…まあ、俺に言われてもな。つうか、この際付き合っちゃえばいいんじゃねえの?お前ら仲いいだろ」
「…ばーか」
持っていた鞄で、もう一度英二をどついた。流石に今度はひらりと避けられたけど(ムカつく)