ワンダフルエラー
『ああ、会いたかった。更ちゃん』
そう言って部屋に来たのも、結局いちばんはじめにセックスした6日目の夜だけだった。
真帆に言わせれば、それは身体目当て、らしいけど。2人でいるときは甘い言葉をたくさんくれた。
好きだ、愛してる、ずっと傍にいる。何も見えず、盲目的にその言葉を信じていた。
言いながら、指はいつもわたしの身体を這うのだけど。今思えば、やっぱり身体目当て…だったのかもしれない。いや、絶対そうだ。
くそう。
あんな男に身体を開いた自分が死ぬほど恥ずかしい。隆志君の猫撫で声を思い出してゾクリと背筋が冷えた。
「…気持ち悪い」
何度目だろう。
わたしは、何度も何度も失敗する。失敗から何も学ぶことが出来ていない。