ワンダフルエラー
「天宮更!」
「…なに」
いきなり引っ叩いた上に、今度は呼び捨てだ。無礼にもほどがある。というか非常識極まりない。
驚きはようやく怒りへと変わり始めた。
「あんただって、一緒よ!遊ばれてるだけなんだから…!」
大粒の涙が、次々と頬を走る。
わたしと真帆の頭上には、クエスチョンマークが幾つも浮かんだ。
「…あのさ、さっきから何をそんなに…」
「トボケてんじゃないわよ!」
もう一度掌を振り上げ、わたしへと降ろされるそれを、今度こそぱしりと手で受け止めた。
流石に二度くらってやるほどわたしはお人好しじゃない。
青山華子は、悔しそうに顔を歪めている。
「生徒会長だからって…何様よ…!」
憎しみが込められた声が、そのベビードールのような唇から零れた。