ワンダフルエラー

青山さんは大人しくソファに座っている。

わたしは彼女に背を向けて、3人分の紅茶を用意した。

生徒会の特権で取り寄せている茶葉は、普段使うものよりも数段高価。上品な香りが、ふわりと部屋に漂った。


それとほぼ同時。

真帆が静かに生徒会室に入ってくる。かちゃりと内側から鍵をかけて、他の誰も入れない様に隔離した。

ちょっとした拉致だ。


紅茶をテーブルの上に置く。

青山さんは、きょろきょろと生徒会室を見渡している。

物珍しいんだろう、生徒会メンバーや委員長以外の人間がここに立ち入ることは皆無に等しいから。


「……汚い」

「汚してるのは、サラと十夜だから。いっておくけど。他メンバーは几帳面よ?」


真帆の言葉に、きゅっと青山さんはカップを持つ手に力を込めた。

一瞬、またさっきのように不意打ちで紅茶でも掛けられるのかと冷や冷やしたけれど、さすがにそんな意図はない様だ。
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