ワンダフルエラー
「最低だよ。十夜。何やってんの」
ぽつりと漏らした。
真帆は、どこか心配そうにわたしの顔を覗きこんだ。
青山さん、わたしを引っ叩いてる暇があったらその掌は十夜の頬を叩くべきだったよ。
「…大丈夫?サラ…」
大丈夫、なのかどうなのか。
少なくともショックだった。十夜と一緒にいるようになって、4年あまり。
同じ時間をキョウユウして、十夜のことなんて何でも知っているつもりでいた。それなのに。
今まで知らなかった一面を、こうして知り衝撃を受けた。
どうしたの。十夜。
そんなにJJが好きだったの?もう哀しくないって言ってたじゃない。ヤケ酒ならぬヤケカラオケなら何時間だって付き合ってやってもよかったのに。
自分を好きだと言ってくれる女の子を抱いて傷つけて、誤魔化すしかなかったなんて。
自分の無力さに首を吊りたくなる。
十夜の隣にいる存在理由が今のわたしには一つも見つけることが出来なかった。