ワンダフルエラー

「どーしたんだと思う?」

「…おまえ、すげーうぜー」


生徒会室には、英二とわたしの二人きり。

この気持ちに気づいて、必死に今までと同じ様に振舞わなければならないという焦りのせいで、

最近は十夜と一緒にいるのが苦痛だった。


「恋ってさ、難しいよね」

「はぁ?」


英二は、ミジンコでも見るような目でわたしを見た。


「十夜となんかあったのか?」

「…うん、て、えぇ!?」


やっぱりな、と英二は置いてあった緑茶をすする。わたしも動揺を沈めようと、ごくごく飲み干した。


「浮気でもされたとか」

「なにそれ!こないだも言ったけど、付き合ってないって言ってるじゃん」


コトンと、湯のみをテーブルに置く。

まさか英二にこんなことを相談する日がくるなんて思っていなかった。


そして英二も同じ様に思っているに違いない。

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