ワンダフルエラー
わたしが勢いよくそう言えば、英二は理解出来ないというように首を傾げた。
「なんでだよ。俺が見る限り、あいつァお前のこと、特別に見てると思うぜ」
「…駄目」
「だから…なんで」
ここ数日、ずっと自分の気持ちを隠して、偽って、十夜と接してきた。嘘は苦手じゃなかったから上手く誤魔化せていたはずだ。
十夜も、多分…気づいてないはず。
けれど、どんなに上手く嘘をついても、一人になって湧きあがってくるのは虚しい感情だった。
「A=Bじゃなきゃ…、ずっと一緒にいられない」
「はァ?なんだよそれ」
虚しくて、虚しくて、けれどなんとかそれを押し殺してきたけど限界だった。
こうして英二に押し殺していたものを吐き出すうちに、気持ちが高ぶって出なくていいものまで、流れ出る。
「サラ…、おまえ…なに泣いてんの」
「ごめん…ほんと…あんた関係ないのに」