ワンダフルエラー
誤解ヘブンリー
十夜と話をするとき、やはり以前の様に上手く振舞えずにいたけど、わたしは出来るだけ、普段どおりに接しようと努力した。
英二はとてもイイ奴で、度々悩むわたしの相談相手をしてくれる。
十夜といる時間よりも、最近は長いかもしれない。
「サラ」
「あ、十夜。どうしたの?」
「今日、帰れる?」
わたしはぎくりと肩を揺らす。
放課後に、英二が相談に乗ってくれるというので約束をしていたから。
「…ごめん、今日残って仕事しなきゃいけなくて」
「一人で?」
「う…うん…」
そっか、残念。と口を尖らす十夜に、心の中で何度も謝った。
わたしに背を向けた十夜を見つめる。嘘をついてしまった自分が、凄く嫌だった。