ワンダフルエラー

うずくまるようにして座っていた。

その時、


ガチャ、という音が入り口の方から聞こえて思わず体が跳ねた。

そして、現れた人物に目を見開く。


「…十夜」


その表情は暗がりでよく見えない。

けれどその細身の体形に飴色の髪は間違いなく十夜だった。

なんでこうも突然現れるんだろう。

今さっきまで十夜の話をしていただけに、なんだかおかしな罪悪感が胸を締める。


「ど…どうしたの?こんな時間に…」


必死にそんな当たり障りの無いことを聞く。


「俺が担当してた仕事で使うUSBメモリー、パソコンに差しっ放しで帰っちゃってさ」

「仕事かァ、じゃあ一緒だ…」


あはは、と別に何もおかしくなんてないのに笑ってみせる。


十夜がわたしに二歩近づいた。


「一緒?サラと一緒にするなよ」

「へ?」


返ってきた言葉に首を傾げる。
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