砂時計
「わ、笑わないでよ…」
顔は一気に真っ赤になる…
「声デケー…」
「ごめん」
「ククク…」
必死に笑いを堪えようとしてるのか
口を手で押さえてる
でも、ククって…聞こえてる!!
目の前の映画予告のテレビには
中学の時に学校で話題になった小説が
映画化されたと映っている
「これ、懐かしいな!」
「そうだね…中学以来」
恋愛小説で、設定が中学生の話だった
なんで流行ったかと言うと、国語の先生が
授業に行くたびに宣伝しまくったり、授業中に小説の内容話したり
でも、たったそんだけで流行るわけがない…
本当に流行った理由はこの小説の内容を
2年生が文化祭で劇をしたから
先生が受け持ってるクラス
みんなプログラムを見たときは「可哀想に」って言って哀れんでたけど
劇が終わるころには泣いていた
先生が宣伝したくなるくらい
本当に感動的でいい話だった
「あの日も、確か俺の隣立川だったよな」