砂時計
その小説の映画予告は終わり
次の予告が始まった
「よくそんな事覚えてるね」
「覚えてるよ~!!あの日も立川喋ってくれなかったもん」
「そうだっけ?」
「うん!みんなが笑ってる時も、ずっと下向いてた…」
「ハハ…」
おもしろくても、笑えなかったんだよ…
笑い方も忘れるくらい緊張してたんだもん!
「だけど、さっきの映画の劇の時は泣いてたな」
「え?そんな事まで見てたの??」
「まぁ~な」
急に視線をズラす祐太朗君
私は不思議に思いながら携帯を開いた
アカリからメールが来てる
「もう、帰って来たみたいだよ!アカリとアキラ君」
「そっか」
祐太朗君は立ち上がった
私も少し遅れて立ち上がり横並びに歩きはじめた
「祐太朗君…」
「何?」
「嫌いとか、苦手とか…ウザイなんて思ったこと一度もないよ」
祐太朗君は足を止めた
「え?」