Last.
ある日の日曜日。



『今スッピンだから一時間後に来て』と言われ、



この俺が言われた通り待つことも出来ず、シャワーを浴びてすぐに家を出た。



入り口を通って、受付の人に会釈すると、
いつもなら笑顔を返してくれる人が、
表情が強張った瞬間を、俺は見逃さなかった。



『どうしたんすか?』と聞くと、その人は首を傾げて『いや~、今は行かない方が……』と言われた。



何かある、という直感に足は勝手に動いた。



待合室の前を通りかかった時、男の声がした。



『美月。』



男は確かにそう言った。



足が止まる。



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