Last.
待合室から立ち去る美月と目が合う。



目にいっぱい涙を溜めて走り去った。



俺は後を追うしか出来ない。



『美月…!』



『…来ないで!』



部屋まで追いかけるも、美月はドアを閉めて閉じこもった。



何も言えなかった。



本気で走れば腕を掴めたのに。



抱きしめてやれたのに。



強がって言ってることも、
触れて欲しくないことも、
わかってるけど。



コンコンとノックする。



『美月…?ごめん…さっきの話聞いてしまった。でも俺、何とも思わないから。美月だけ…信じてるからな。今日は帰るよ…。でも、何かあったら連絡して。何時でも、すぐに来るから。』



本当は、今すぐ抱きしめてやりたい。


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