Last.
だから今…俺の腕の中に居るんだよな…?



怖くて聞けねぇ…。



ただ傍に居てあげることが、精一杯の思いやりだった。



一度帰るフリをして、またベランダを伝って部屋に入った。



一晩中、美月の傍に居た。



美月の中から、俺が消えてしまいそうで
帰る気がしなかった。



泣き疲れて眠りについた美月の寝顔を、
朝方ぼんやりと見つめていた。



これから先…俺は何度、この寝顔を見れるんだろう…。



そんなことしか頭に浮かばない。



自信なんて、急になくなる。



そっと額にキスを落とし、体温を感じて存在を確かめる。



何度か繰り返すと、美月も目覚めた。



俺を見ると、恥ずかしそうに顔をうずめる。



その仕草が可愛くて、愛しくて、抱きしめ返した。






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