Last.
『啓吾…大学は!?』



顔を上げての第一声がそれだった。



『バカ。そんなことより美月の方が大事だっつーの。それに行ったって何も頭に入んねぇよ。』



キョトンとした顔で俺を見つめ、フッと笑った。



さり気ない笑顔や悲しい顔、冷めた顔…
どれも美月なのに、目を逸らせばふと、
どこかに行ってしまいそうで、
繋がりを求めてしまう。



同じ空間に居るのに。



まるで心は、違う世界に居るようで。



………怖い。



『美月…。』



思わず呼んでしまう。



美月の、俺を見る視線が、
昨日からぼやけている。



『…何考えてる!?』



あぁ、俺何言ってんだろ。













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