Last.
『どういう意味…?』



『いや、何でもない。俺、寝ぼけてるみたい(笑)。』



いつも真っすぐな美月の目が、
ぼやけている理由なんて1つしかないのに。



今は間違いなく、一番傍に居るのにな。



相手の気持ちがわからなくなると、
こんなに不安になるものなのか…。



『不安…なの!?』



美月の一言で顔を上げる。



知らないうちに、そんな顔をしていたようだ。



『……めちゃくちゃ。』



今の俺はカッコ悪い。



俺の手をそっと握る美月は、少し困った顔をしている。



『そんな顔するなよ…。そういう意味で言ったんじゃない。決めるのは美月だから。』




俺は、信じて待つだけだから。



握りしめた俺の右手を、
美月は自分の頬に付けた。

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