Last.
離れたくないと思った。


離したくないと思った。



美月だけを見つめて、
生きていけたらどんなに幸せだろう。



もし、あの日の雨が止んでたら…



あの時間、あの場所で、



美月とは出逢わなかったのかな。



ただ見過ごして、こうして美月と同じ時間を過ごすこともなかったのかな。



こうして触れ合うこともなかったなんて、
考えるだけで怖い。



出逢いは一瞬だったけど、
人生までを変えてしまう。



もう、美月なしの人生は考えられなくなっているのに…



美月も、同じ想いでいることを願うばかりだ…。



そんな俺の想いとは裏腹に、
2人の歯車は徐々に狂いはじめていく。



俺の知らないところで、
美月の過去は動き出していた。












< 117 / 233 >

この作品をシェア

pagetop