Last.
6.月夜の闇 ~美月の視点~
【美月 side】



びっくりした。



まさかもう一度、タケルに逢うなんて。



2年前のあの日、君を忘れるのに必死だった。



身体に刻み込まれていた君の体温を、
二度と焦がれることのないように
あの街を離れた。



ねぇ、タケル…。



いつからかな…。



私が君を怖いと思ったのは。



好きで、好きで、
死ぬほど愛したのに……



結局私は、君から逃げたんだね。



サヨナラを言ったこと、



君に背を向けたこと、



君を抱きしめてあげれなかったこと、



後悔しながらの日々だった。








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