Last.
『ごめんな、嫌な想いさせて。俺、美月と離れるなんて考えられないから。だから止めるから、ずっと傍に居てよ。』



この時の私は、君の腕の中でどんな顔をしたんだろう。



『美月……。いつか家族になろうな。』



涙が出るほど嬉しかったんだよ、このセリフ。



実現することはなかったけど、
ほんの少し君を、信じてみようと思った。



それから君は、変わりなく私に接してくれた。



変わらない優しさの中に居たけど、
そう長くは続かなかった。



夜中にこっそり出て行ってたこと、
気付いてたんだよ。



信じたいのに、怪しいと思わざるを得なかった。



君と同じ未来を、ずっと見ていたいと想っていたのに…。



ごめんね…君を信じることが出来なかった。



でも愛していたの…。



だから…ああするしかなかった。



これ以上君を、そのままにしておけなかった。







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