Last.
自然と俺の手は、美月を抱きしめ返していた。




『美月……美月……!!』




居なくなってから、
頭の中で何度繰り返しただろう。




変わってないのは、俺だけか……!?




『ママ、泣いてるの…!?』




美月の足元で、子供が聞いた。




我に戻った俺たちは身体を離し、
美月はしゃがんで子供の頭をなでた。




『悲しくて泣いてるんじゃないよ。ママ大丈夫だからね。』




コクリと頷いた子供をそっと抱きかかえた。




『優菜(ユナ)っていうの。』




美月は俺に言った。














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