Last.
涙をこらえながら、美月は答えた。



『なんで……俺じゃないの…!?』



俺だって…まだ諦めきれねぇよ……。



なんで……。



『啓吾に対する気持ちは変わってない。でも、タケルに対する想いは変わってったの…。前よりもっと……』



聞きたくないと首を振った。



『美月……好きだ。』



もうなす術がないと知っていながら、
気持ちを抑えきれなかった。



いっそのこと、思いきりフってくれ。



潤んだ瞳、艶のある唇。



風に揺れるサラサラの髪。



どれも変わりないのに、今は…
俺の前で困った顔をするばかりだ。





















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