Last.
『俺…不器用だから、美月のこと、すぐに諦められないと思う。でも、もう困らせたり泣かせたりしない。約束する。こんな風に逢いに来たりもしないから。ただ……今ここで、約束してほしいことがある。』
最後の望み、受け入れてくれ…。
『…なに?』
『これから先、何かあったら…真っ先に連絡して来い。』
『そんなことしたら、啓吾に迷惑かけちゃうよ。恋愛だって…出来ないじゃない。』
『当分出来ないよ…。』
美月の表情が曇る。
『ウソだよ!それはご心配なく。でも、当分はまだ…好きで居させてよ。』
『…ありがとう。』
ようやく最後に、美月は笑った。
昔の変わらない笑顔だった。
大好きな美月の笑顔だった。