Last.
目を逸らして言う美月の頬が
暗闇でも赤らんでみえたのは
錯覚だろうか。



『本当に勝手にしていいの?俺、どんどん美月のこと好きになっちゃうよ?』



顔を覗き込んで言ったら、やっぱり美月は照れていた。



『啓吾はバカだよ。こんなややこしい女のどこがいいんだか。』



『ややこしくなんかねぇよ。たいした女だ。マジ素直じゃねぇとことかも俺好みだし!?』



時折見せるはにかんだ顔は、まだ本来の美月の笑顔なんだと思う。



その顔に触れる。
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