Last.
5.下弦の月
大学にて。



『はぁ……。』



気付くと溜め息ばかりついている。



周りの奴らも近付いて来ない。



頭の中には常に美月が居る。



授業が終わると、真っ先に美月の元へと向かう俺を、みんなは不思議がった。



ツレも女も全部断っていたから。



わかってる。



周りが見えなくなっていること。



でも、俺は本能に従った。



我慢するほど賢くなかったし、美月が欲しくて欲しくてたまらなかった。



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