夕闇の旋律
悠矢は詩音の作業をじぃっと見つめていた。
画面には五線譜と音符がずらりと並んでいる。
詩音はそれを繋いだり消したりしながら着々と五線譜を伸ばしていった。
一区切りついたのか、画面を一つ前のメニューに戻すと、そこには楽器編成や音量設定などのコマンドがたくさん並んでいた。
「これ、音出るの?」
好奇心に耐えられなくなって悠矢は画面を指して詩音に尋ねた。
「出るよ。聴く?」
「聴きたい」
詩音はキーボードをいくつか叩くと、画面にスコアが映し出された。
そしてフルートとグロッケンの音から前奏が始まった。
それはどこか異国風の曲で、優しげな伴奏と踊るようなメロディーが絡み合っていて、それなのにどこか寂しい、そんな曲だった。
時間としてはたった一分半ほど。
それなのに悠矢はため息をついて、それで自分が緊張していたことに気づいた。
「すげぇ。こんなの俺は作れないな」
「そうかな……?でも、私作曲ばかりで、全然作詞の方は進まないんだよね」
「こんな良い曲に似合う歌詞なんてそうそう作れないだろ」
「褒めてるの?貶してるの?」
「褒めてるんだよ」
悠矢は苦笑して口を尖らせている詩音の額を小突いた。
画面には五線譜と音符がずらりと並んでいる。
詩音はそれを繋いだり消したりしながら着々と五線譜を伸ばしていった。
一区切りついたのか、画面を一つ前のメニューに戻すと、そこには楽器編成や音量設定などのコマンドがたくさん並んでいた。
「これ、音出るの?」
好奇心に耐えられなくなって悠矢は画面を指して詩音に尋ねた。
「出るよ。聴く?」
「聴きたい」
詩音はキーボードをいくつか叩くと、画面にスコアが映し出された。
そしてフルートとグロッケンの音から前奏が始まった。
それはどこか異国風の曲で、優しげな伴奏と踊るようなメロディーが絡み合っていて、それなのにどこか寂しい、そんな曲だった。
時間としてはたった一分半ほど。
それなのに悠矢はため息をついて、それで自分が緊張していたことに気づいた。
「すげぇ。こんなの俺は作れないな」
「そうかな……?でも、私作曲ばかりで、全然作詞の方は進まないんだよね」
「こんな良い曲に似合う歌詞なんてそうそう作れないだろ」
「褒めてるの?貶してるの?」
「褒めてるんだよ」
悠矢は苦笑して口を尖らせている詩音の額を小突いた。