夕闇の旋律
「太一、くん。それとミオ、だね。よろしく」

詩音は納得してこくんと頷いた。

「どんな話をしてたの、悠矢くん」

「魔法の話?いやいや、違くて……えーと、そう、俺、なんか創らないといけないらしくてさ。それで、魔法でモノを創ったらどうかって話になったんだ」

「魔法……」

詩音が眉をひそめる。

「いいの?他の人に影響しかねないよ。それに、悠矢くんは魔法でモノは創れないと思う」

「え、どうして?」

ミオが首を傾げる。

「ちゃんと知らなきゃ、歌うだけじゃ自分の得意な魔法が勝手にでてきちゃうから。魔法だって学ばなきゃできないんだよ」

「そ、そうだったんだ……」

悠矢が驚いて呟く。

「今まで普通に出来てたから知らなかった」

「うー……」

悠矢の言葉に、詩音は困ったような、いらつくようなうなり声をあげた。

「だから悠矢くんは特別なんだよ」
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