夕闇の旋律
君はそれを奇跡と呼んだ
4月8日
「進級おめでとー」
にぱーっと詩音が満面の笑顔で病室に入ってきた。
「あ、ありがとー?」
「ねぇ、午前中はどうせ誰も来ないんだから、少し話しをしない?」
「話し?別にいいけど」
「うん、前から気になってたんだけどね、ミオ達が悠矢くんに課題をもってきたことがあったでしょ?」
「課題?……あー確かにあったな」
「あれってどうなったの?」
「適当に貯金箱作っといた。小学校の夏休みの自由研究とかで作ったりしなかった?」
「なんだ……貯金箱かー。エンチャントの歌詞はどうなったの?」
「今作ってる」
「そう……なんだ」
詩音はうつむいてだまってしまった。
悠矢が声をかけようかをかけようか迷ってる間に詩音が一言なにかを呟いた。
「え、なに?」
「私もね、作ってるの」
詩音は少しはにかんで言った。
「初めて、本物の魔法を一から組み立ててる。難しくて、繊細で、壊れやすいガラスの城を作ってる気分」
「え?しお……」
「でもね」
詩音は悠矢の言葉をさえぎって言った。
「すごく楽しいんだよ。忘れてたの、歌が好きっていう大事な想い。気づけたから、すごく楽しい」
「進級おめでとー」
にぱーっと詩音が満面の笑顔で病室に入ってきた。
「あ、ありがとー?」
「ねぇ、午前中はどうせ誰も来ないんだから、少し話しをしない?」
「話し?別にいいけど」
「うん、前から気になってたんだけどね、ミオ達が悠矢くんに課題をもってきたことがあったでしょ?」
「課題?……あー確かにあったな」
「あれってどうなったの?」
「適当に貯金箱作っといた。小学校の夏休みの自由研究とかで作ったりしなかった?」
「なんだ……貯金箱かー。エンチャントの歌詞はどうなったの?」
「今作ってる」
「そう……なんだ」
詩音はうつむいてだまってしまった。
悠矢が声をかけようかをかけようか迷ってる間に詩音が一言なにかを呟いた。
「え、なに?」
「私もね、作ってるの」
詩音は少しはにかんで言った。
「初めて、本物の魔法を一から組み立ててる。難しくて、繊細で、壊れやすいガラスの城を作ってる気分」
「え?しお……」
「でもね」
詩音は悠矢の言葉をさえぎって言った。
「すごく楽しいんだよ。忘れてたの、歌が好きっていう大事な想い。気づけたから、すごく楽しい」