夕闇の旋律
『起きて……』

何も無いところから響いてきた声に起こされて、詩音は身体を起こした。

「あ……ったぁ」

その拍子に動かしてしまった足が痛む。

「おい、大丈夫か?」

「え」

慌てた声に気づいて詩音は少年の存在に気づく。

「えぇ!?だ、誰?」

少年は所在無さげに視線をそらして言った。

「悪い。足、俺のせいで悪くなったらしいんだ」

「……へ?」
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