夕闇の旋律
そういえば、と詩音は思った。

その声、ついさっきも聞いた覚えがある。

詩音は首だけを横に向けて少年を見た。

少年は気まずそうに詩音を見つめ返した。

「いろいろ、説明してくれると助かるんだけど……」

「あ、ああ。そうだな……」

少年はうろたえて視線を彷徨わせたが、観念したようにため息をつくと、話し出した。

「俺の名前は橋本 悠矢。声帯に宿る魔法のことは知ってるか?」
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