夏風
下手なことを言って
尋を傷つけたくなかった
少しの沈黙を破り
尋がポツリと言った
「なに言ってんだろな、オレ
関係ないツレ巻き込んでなにやってんだよ
ごめん早苗、気にするな」
尋は私に気をつかった
自分はもうボロボロなのに
私は、恥ずかしくなった
「尋、私には隠さなくていいから
私にはなんでも言ってきて」
本心だった
「ありがとう、早苗だけが頼りだよ」
それから毎日電話した
少しでも尋の力になりたかったんだよ
私たちは、闇へ堕ちていく