夏風



下手なことを言って
尋を傷つけたくなかった

少しの沈黙を破り
尋がポツリと言った
「なに言ってんだろな、オレ
関係ないツレ巻き込んでなにやってんだよ
ごめん早苗、気にするな」

尋は私に気をつかった
自分はもうボロボロなのに
私は、恥ずかしくなった

「尋、私には隠さなくていいから
私にはなんでも言ってきて」

本心だった

「ありがとう、早苗だけが頼りだよ」

それから毎日電話した
少しでも尋の力になりたかったんだよ

私たちは、闇へ堕ちていく

< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop