導く月と花に誓う
それから、スーパーへ着き…
先ほど渡されたメモを見る。
「えーと……え、なにこれ…」
そこには、大きくアイスという文字。
しかも、その隣には『×10』という記号。
…なんだ、コレ…
…どういうこと…?
まさかのアイスオンリーっ!?
……まぁ、これだけ暑ければ…
わからなくもない…けど、さ…
苦笑しながらも、アイス売り場でガサガサ、といろいろ選んでいると。
「千秋さまはどこにいてもお似合いですね」
そう言って、隣にいる狐燈がキラキラと表情を輝かせる。
「……あんたは…」
キラキラしてるのはお前だよ、と
言いたいところだが…言わない。
さっきから女の人の視線が刺さりっぱなしなのに…
本人は全く気づいていない。
はぁ、とため息をついて、その後、レジを済ませ帰路を急いだ。
でもまさか、このあと…
とんでもない事実を聞くことになるなんて……
―――この時のあたしは知る由もなかった。