導く月と花に誓う
そしてこいつは、あたしのいとこであり、すべてを奪った張本人である。
親戚が誰も助けてくれなかったのは
全部、雅の仕業…といってもいい。
あたしの両親の本性を、雅が親戚中に知れ渡らせてしまったからだ。
「…いい様ね」
一言、あたしに向かって呟き、甲高く高らかと笑いだした。
「…悪いけど…。
あたし、急いでるから…」
そう言って、彼女を横切った瞬間だった。
「……狐燈。お役目ご苦労様」
クスリ、と笑い、ぼそりと…でもはっきり呟いた。
…あたしにはっきり聞こえるように。
……え?
どういうこと…?
すぐに狐燈の方を向くと、ペコリ、と頭を垂れただけだった。
すると、雅はあたしに視線を移す。
「じゃあ、またね?千秋」
ふふ、と笑いながら、面白そうにあたしを見ながら歩いていった。