導く月と花に誓う
なにか、熱いものが込み上げてきたあたしは、思わずしゃがみこんだ。
「…おい!? どうかしたのか!?」
「……ごめ、…なんでもない…っ」
そう言ったものの、どんどん熱いものが溢れてくる。
すると、砂狗もしゃがみ、ぽすぽす、とあたしの頭を撫でてきた。
「…泣くなよ」
「泣いてないわ」
「うわっ、んだよっ!
かわいくねーやつ」
「…うるさい。
あたしがこれくらいで泣くわけないでしょ」
そうだよ。
今まで、いろいろ経験してきたんだ。
こんなところでへこたれる、あたしじゃない。
「…ありがとう」
「……は?」
「なんか元気出ないけど出た」
「どっちだよ」
そう言いながら、砂狗がハハッと笑う。