導く月と花に誓う
絡まる鎖
しばらく無言で、あたしは鬼野郎のあとをついていく。
「───おい、」
と、突然響いたその声に、ハッ、と気づけば、いつもの神社についていた。
「上、のぼれ」
なんでそんなに偉そうなんですか。
「あたしは化け物じゃないんで
そんな簡単に上れません」
「仕方ねぇな」
ぼそり、とすごい面倒くさそうに呟き、おまけに舌打ちをすると、いきなりあたしを抱えあげた。
「…な、何すんのよ!」
「………」
シカトかいっ!
「……わっ!」
鬼野郎は、叫ぶあたしを完全無視し、一気に樹木の上へ上がっていった。