導く月と花に誓う
そして、太い木の枝までくると、そこで下ろされた。
「…なんなんですか?
…ていうか、なんで木の上…」
「だから言っただろう。
狐は達が悪いから気をつけろ、と」
…いやいや、人の話し聞けよ。まったく。
「……それでも…
いくら裏切られたとしても…
あたしは、信じています」
ムッ、としながら鬼野郎に視線を向けて、キッパリ言った。
どんな風に裏切られたって、そこには必ず理由があるはずだから。
…そうじゃなきゃ、やってらんないよ。
「はははっ!
今どき、こんな人間も珍しいな」
…なんて失礼な鬼だ…。
人を珍獣みたいな言い方して…
「まぁ、その意気があれば心配はないか。
…仕方ねぇから、話してやるよ」
へっ、とつまんなそうに笑い、あたしに向かって言った。
ほんと…この人はいったい何でこんな偉そうなんだろうか…