導く月と花に誓う



「……いつになったら、
あたしと契約をしてくれるの?」


「そうですね。考えておきます」


「…その言葉、何回目?
する気あんの?」


「もちろんですよ。
…お茶のおかわりを持ってきます」




そう言って、いわば逃げるように

その部屋から出た。






「あら、狐燈さん。
どこかへ行かれるのですか?」



すると、通りがかった

メイドに呼び止められた。




「はい。少し外の方へ。
すぐに戻ってきますのでご心配なく」



そう、微笑みながら言って、外へと出た。





久しぶりに出た外ほど、

清々しいモノはない。




それから、どことなく歩きだし…



ふと、行き着いた場所は神社だった。






彼女と再会できた、あの神社だ。








でも……、この手で…

その彼女を、傷つけてしまった。












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