導く月と花に誓う








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只今、あたしの心臓は今にも飛び出すんじゃないか、ってくらい

ドキドキドキ、と高鳴っている。





「…狐燈はいいかもだけど…
あたし、完璧に不法侵入だよね、コレ…」


「ご心配なく。
私がついているので大丈夫ですよ」




あたしは、雅の部屋に向かって屋敷内を大移動中。






……そうは言ってもなぁ




メイドの姿が見えるたびに柱へ隠れてしまうという始末。




「雅さまのお部屋はすぐそこです。

私はメイドの気を引き付けておきますので
あとは、お二人でゆっくりお話しください」




そう言って、狐燈だけスッ、と出て行く。




その言葉通り、うろうろしていたメイド達の姿がなくなっていったけど。




……なんか複雑…



て、あれも妖怪の力なのかな…











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