導く月と花に誓う
それから走り続けた甲斐があり…
なんと、奇跡的に残りわずか1分で、あたしは無事、学校の門をくぐり抜けることが出来たのだった。
ハァハァ、ゼェゼェ、と息を切らしながらふらふら、と教室に入る。
疲労感が尋常じゃないあたしとは裏腹に、教室内は夏休み中の話題で華を咲かせていた。
ノロノロと自分の机にカバンを置くと。
「千秋にしては珍しいじゃん」
そんなあたしに、前に座る飛鳥がケラケラ笑いながら、振り向いてきた。
「なんかあった?」
「…ちょっといろいろあってさー…」
うー…、と変な声をあげながらあたしは机の上に突伏する。
すでに一日分のエネルギーを全部使ってしまった。
それは…遡ること昨日ーー…