導く月と花に誓う



〈――馬鹿千秋へ。

あたしは、謝らないから。

でも、これからは、東条家に恥じないようにしていくわ。

また近々遊びに来るから、そうしたら、あたしの話に付き合ってよね──〉






最後の文は、すごい力んだのか…

文字色が濃く、カクンカクンになっていた。





それを見て、フッ、と笑みが零れる。








『第一歩、ですね…』




家の中へ入ると、狐燈が優しく微笑んだ。




あたしもそれに頷いた時、重大すぎるあることに気がついた。





『……ねぇ…、今日って何曜日…?』


『木曜日ですが………?』


『まずい』




サー…と青ざめていくあたしを、狐燈が不思議そうに見据える。






『明日、学校なの忘れてた…』


『………?』


『──テストの存在忘れてた…っ!!』










――――…というわけで、ほぼ徹夜でテスト勉強をしていた結果がこれだったわけである。














< 155 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop