導く月と花に誓う
〈――馬鹿千秋へ。
あたしは、謝らないから。
でも、これからは、東条家に恥じないようにしていくわ。
また近々遊びに来るから、そうしたら、あたしの話に付き合ってよね──〉
最後の文は、すごい力んだのか…
文字色が濃く、カクンカクンになっていた。
それを見て、フッ、と笑みが零れる。
『第一歩、ですね…』
家の中へ入ると、狐燈が優しく微笑んだ。
あたしもそれに頷いた時、重大すぎるあることに気がついた。
『……ねぇ…、今日って何曜日…?』
『木曜日ですが………?』
『まずい』
サー…と青ざめていくあたしを、狐燈が不思議そうに見据える。
『明日、学校なの忘れてた…』
『………?』
『──テストの存在忘れてた…っ!!』
――――…というわけで、ほぼ徹夜でテスト勉強をしていた結果がこれだったわけである。