導く月と花に誓う
………あれ…?
…あの人…どこかで……?
「千秋、千秋!」
「……え?」
「あの人、めっちゃカッコいい…っ」
……ハッ!
飛鳥の存在を忘れてた…っ
「飛鳥……宏樹さんが泣くぞ…」
「そうだけどさーっ
…カッコいいー……」
ダメだこりゃ…
「――お前ら、静かに。
じゃあ、木村は空いてる席座れ」
「…はい」
と、空いてるらしい席へ向かう時も、ざわめきをやめないクラス。
…と、まぁ…新たな仲間が増えた新学期初日だったわけだ。
そして放課後――…。
あたしがいそいそと帰り支度をしていた時。
「……おい…」
あたしに影が近づいてきたかと思うと、突然声が降ってきた。
「………?」
不思議に思い、その方へ視線を向けてみると、
例の転校生、木村くんが立っていた。
びっくりして、つい目を見開く。
「お前さ、黒瀬?」
「…そ、そうですけど…」
「これ」
………?