導く月と花に誓う
バッ、と隣を見ると、その瞳は鋭く光り、高尾宏樹だけをとらえていた。
「今仰った言葉、前言撤回していただきたいですね」
「…はぁ!?
んだよ、お前…っ!」
その瞳に、負けじと高尾宏樹も声を張る。
頑張るな…。
「…貴方に、この方のなにがわかると言うのですか」
「わかりたくもねぇよ!
ただ飛鳥のダチっつーから仲良くしてるだけだっつーの!」
うん。
……まぁ、態度見てればわかるよ。
…というか、
絶対二重人格だよね、この人。
「…そうですか。
それなら、別に後で文句は言えませんね」
という狐燈の意味深な言葉に、高尾宏樹だけじゃなく…
あたしも不思議に思う。
その瞬間、狐燈の瞳が鋭く光ったと思うと…。
突如、ゴゥ…と、すごい勢いで吹き抜けた突風が辺りを飲み込んだ。