導く月と花に誓う
スーパーはあたしの家から、だいたい徒歩5分くらいのところにある。
こじんまりしたスーパーだけど、いくつかのスーパーよりは結構人気がある。
久しぶりに買い出しに来たあたしはあれこれ選びながら、数十分後にやっとレジを済ませた。
「ありがとうございましたー」
店員さんの声を背に、スーパーを出た時。
ふと、見覚えある姿を発見した。
「……もしかして…木村くん?」
…そう。
今日転校してきた木村くんがいた。
「は?、……誰だっけ?」
おおうっ!
覚えられていなかった!
てかさっき呼んでくれていたよね!?
「く、黒瀬です!」
「…ああ」
なにその“忘れてたわ”みたいな返答!
……少しショック…
「……ぷ…」
……ぷ?
「はははっ!面白いなお前。冗談だよ」
…面白い扱いされたあたしは、どう反応すればいいんだろうか…。
しかも冗談って……
とりあえず、あたしも笑うべきだろうか。