導く月と花に誓う
―――――――……
ふと、彼女の姿が見当たらないと思い、周りを少々見渡した時。
あの少年と、並んで楽しそうに話している姿を見つけた。
「―――あら、嫉妬?
貴方にしては珍しいわね」
それを遠目で見ていると、雪華さまがニヤニヤと笑いながら肩を軽く叩いてくる。
「……そんなことはありませんよ」
「また強がっちゃってー…。
まぁ、あの子は…人間だものね。
…仕方ないわ。ねぇ、ミュウちゃん?」
「そうですね。
でも、もし簡単になびいたらその時は許しませんけど…」
「やだー、ミュウちゃんったら」
楽しそうに言葉を交わしながら、二人はその場を離れていった。