導く月と花に誓う
なんとか無事に学校へ着き、ホッと一息。
平凡な日常だが、あたしはそんなに嫌いではない。
むしろ平凡万々歳だ。
「ちっあきー!おはよー」
朝っぱらから元気ハツラツした声とその姿が見えてくる。
――笠原飛鳥。
容姿端麗。成績は、似た者同士。
運動神経抜群。
と、ほぼ完璧すぎるコイツがあたしの親友なのである。
「飛鳥、おはよ」
「ねぇー、もうーっ!
ちょっと聞いてよー」
飛鳥が口を尖らせながら言うことは一つ。
「宏樹がさー…――」
彼氏の話、つまり…
彼氏の愚痴とか、のろけ。
あたしは適当に相づちを打ちながら、話を聞く。
それがだいたい…
ほぼ、あたしの毎日の日課になっている。