導く月と花に誓う
その声は、掠れていて今にも泣きそうなほど…。
「……貴方はいつの時だって私を、信頼して下さった…。
――今度は、私が頼っても…
よろしいですか…?」
その言葉に、あたしは呆気にとられ
一瞬、固まった。
「……えっ!?」
やがてハッ、としたあたしは思い切り目を丸くする。
言うなれば、開いた口が塞がらない。
しかし、そんなあたしを見て狐燈は跪くと、微笑んだ。
「―――ただ、一つでいいんです。
私の願いを…聞き入れてはくれないでしょうか…?」
……嫌だ、なんて…
そんなことを言えるはずがない…。
それを、わかっているのかないのか…
いや、きっと…わかって言っていると思う。