導く月と花に誓う
そして、言葉を紡いだのだ。
「───…私と契約を…
交わしてはくれませんか…?」
と。
静寂になった空間に、ザァ…と風が吹き、あたしの髪を軽々しく持っていく。
あたしは、乱れた髪を少し整える。
「―――うん…」
大きく返事をして、笑顔を向けた。
それから、勢いよく目の前の人に抱きつく。
『──…いいか。契約の仕方は
それぞれによって異なるんだ。
すべては、気持ち次第…。
本当に互いに心が通った時にのみ、その権利は与えられる』
たまには、いいことを教えてくれるじゃん。
……鬼野郎のくせに。
あたしがあまりに勢いよく飛びついてしまっために、彼は後ろのめりになって、そのまま地面へとついてしまった。
その上にあたしが乗っかっているような体勢。