導く月と花に誓う
突然の声に、すぐさまあたし達は振り返る。
そこには、小さな街灯に照らされて、狐燈と猫鈴さんが立っていた。
そして、あたしは狐燈が一瞬…
表情を引き攣らせたのを見逃さなかった。
「……來孤…」
だって、苦々しい声を向けたのは。
あたしでも誰でもない…
その不審者だったから。
すると、不審者はその言葉を聞いて
フッ、と…、いや…、ニヤリ、と笑った。
「―――久方ぶり。兄さん」
……ええぇぇ…っ
いや、そう思うと一緒の狐だし…
なとなく似てる…気はしないけど。
……確かに、面影は、ある。